「おや、涼ちゃん。いらっしゃい。今月はあの子が大きく載ってるよ」
おじさんの優しい言葉に振り返り、自然と顔が正直になる。
「本当に?じゃあ…買おうかな」
多美の様子を気にしながら、私はラックから雑誌を取ってページを開いた。
今月はどんな風に載ってるんだろう。
ドキドキして、ワクワクして。
こんな所を多美に見られたら、また何を言われるかわからないな。
和哉にだって、きっと話すに違いない。
入り口の扉からこっそり外をのぞくと、バス停に多美の姿はもうなかった。
バスに、乗ったのかな。
そう思った時
ポンポン…
ドキッ!
後ろからいきなり肩をたたかれた。
「えっっ!」
思わず急いで雑誌を閉じる。
やっぱり多美がついて来てたのか。
冷や汗を感じながら後ろを振り向いた。
でも……
冷や汗は、静かに落ちる涙に変わって。
体中の力が、一気に抜け落ちた。
「十……」

