ファンレター





カチャカチャカチャ…



耳障りな金属音で、頭痛を感じながら目を覚ます。

このにおいは…



「やぁ、おはよう。食べるかい?」



重いまぶたの隙間から、隣のテーブルで大盛りのカレーライスを食べる桂さんの姿が見えた。



「桂さん、寝たんですか?っていうか、朝からカレーですか」


「いや、昼だけど?」



へ?

昼っ!?



「こういう仕事してるとさ、睡眠2、3時間でもどうって事ないから」



いや、そうじゃなくて。



「多美っ!起きて!」


「ふへぇ?なに?朝?」


「違う!昼だぁーっ!」



学校に欠席の電話を入れる予定が、こんなに寝過ごしてしまった。

家に連絡されたかもしれない。

パニックになる私と多美をよそに、桂さんはカレーを食べ続けてる。



そこへ、更にカレーを持った大北さんが入ってきた。



「やあ、起きたのか。食べるかい?」


「い、いいです。それより学校に休むって連絡を…」



大北さんはゆっくり私の隣に座った。



「大丈夫、なるようになるさ」



……。



今後なにかと、それで流されそうだ。

カレーのにおいが、ジャージにしっかり染み着いた。