そして、ついに足音が聞こえた。

見ると、そこにはテレビで見る以上に格好いい俊くんがいた。

『待ったよな』

「うんうん、全然」

『「・・・。」』

「どうして、私の番号知ってたんですか?」

『これっ』

そう言って、出してきたのは琴音の診察券だった。

「それ私の!!いつ!?」

『初めてあったとき』

「えっ!?一瞬で!?」

『あんたが気づかないうちに取った』

「泥棒じゃん」

『でも、気づいてなかっただろ?』

「は、はい」

この時、琴音は決めていた。

自分の気持ちを伝えることを。