まぁ、とりあえず水分を確保できて一安心ではある。別にそれだけで安心できるほど余裕はないんだけど。
「つか腹へったわ。」
そう。これも生存条件としてかなり重要…。

「この川に魚とかいないかな?」

「探してみるか。」

そもそもここはどこだよ。いろいろ知りたいことはある。

「あ!いた!」

甲高い遠山の声は良く聞こえた。まるで笛のごとく。

遠山の声ははっきりしていたから近いものだと思った。しかし意外に遠かった。俺と細川がついたのは声を聞いてから3分くらいはたっただろうか。

「ほら。この少し溜まってるところ。」

そこには遠山が言うとおり魚がいた。場所が変わっても魚は魚だった。おれらが良く見る魚。…助かった。食べるものはあるらしい。まぁ永くは保たないだろうけど。とりあえず捕まえなければ話しにならない。

「魚…。どうやって捕まえるんだ?」

当然なことを聞いた。

「予想通りの展開!」
いや。笑い事じゃないんだが…。

「木の枝とか探して来て刺せば大丈夫じゃね?」

そんな簡単に捕まえられるわけがない。その考えはあっさり覆された。

「よっしゃ!一匹ゲットォォォ!」

なんと…。見事に俺の予想は外れた。恐るべし細川…。