「なっ!?山南さん!
いきなり来た奴が組長になるなんて隊士たちが反対するだろ!
それに芹沢さんにはなんて言うんだよ!」
「例え隊士たちに最初に反対されたのしても、神崎くんの実力を知ったら隊士の士気が上がり我々の行動範囲も広がるでしょう。
それにここに留める理由にもなります。
芹沢さんには私から伝えておきましょう」
まあ、山南さんなら芹沢さんに伝え説得するのはお手の物かもしれねぇが…。
「いいだろ、トシ?
俺たちがいるこの京の町、日ノ本を護る大きな力になるかもしれないんだ。
頼む、トシ」
近藤さんは姿勢を正し、頭を下げた。
「……あー、分かったよ!
だから頭を上げてくれ」
俺は昔から近藤さんに弱い。
というより、近藤さんの頼みなら何でも許可しちまうクセがある。
「では伊織くんを“零番組組長”としよう!!
では早速隊士たち全員を広間に集めるぞー」
さっきまでのあの真剣な雰囲気は
どこに行ったまったんだか、
変に気合をいれた近藤さんは
広間に集合だー
と言いながら部屋から出て行った。
ハァ…
近藤さんにはかなわねぇな。
「山崎くん、居ますよね?
幹部と隊士を広間へ集めてください。お願い致します」
そう頼むと天井からコンと小さな音がした。
山崎は了解という意味を込めて叩いたのだろう。
「土方くん、我々も行きましょうか」
「ああ」
もう一度ため息をつきながら、山南さんと共に広場に向かうために近藤さんの部屋を出た。
