にしても、相手の動きを先に読み込んで動き、
急所を的確に狙ってくる。
あれはもう何人のもやつを殺ってきているな。
俺でさえも下手をすれば殺られる程だ。


「トシ、敬助」


近藤さんに目を向けると、腕を組み何かを考え込んでいるのが理解る。


嫌な予感しかしねぇ…。

山南さんも苦笑いをしてる。

まさかな…?


「新しい組を作り、神崎くんをその組の組長にするのはどうだろうか!」


やっぱりな。
だがな、近藤さんよ、


「そんな事出来るわけないだろうが!」


「何故だ!?神崎くんなら組長になっても問題ないではないか!」


そうじゃねぇんだよ。


「もしアイツがから間者だったら俺らの情報は外部に知られるんだ。

それに、これは俺らだけで判断はできねぇことだ。アイツ…芹沢さんの許可なく出来ることじゃねぇんだよ」


俺らが今こうして動けるのも、感謝したくもねぇアイツらのお陰でもある。


近藤さんを説得している中、山南さんは何かを考え出した。


そして、



「土方くん、私は神崎くんを新しい組の組長にするのはいい案だと思います」



といった。
俺はその意見に驚き、近藤さんは嬉しそうに首を何度盾に振った。