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「近藤さん、入るぜ。」
「その声は、トシか? ああ、入ってくれ」
襖に手をかけ開けると、中には近藤さんの他に山南さんも一緒にいる。
「トシ、総司は大丈夫だったか?」
「嗚呼、山崎が手当をしてくれたから多分大丈夫だと思うぜ」
「そうか…良かった」
近藤さんは安堵した表情をしている。
近藤さんと俺、総司、井上さんは試衛館の時から顔を合わせる度に一緒にいた。
山南さんや、一、平助、佐之や新八は後から門弟やらでやって来た。
まぁ、俺も門弟だったんだがな。
つまり俺らは家族みたいなものだ。
とくに総司は近藤さんを慕い、近藤さんもそんな総司を可愛がった。
総司に何かあればそりゃあそんなに心配するわけだ。
湯呑みから茶をこぼしながら。
「それにしても総司がやられ、貴方までもやられそうになるとは」
相当腕がたつのでしょうね…と言う山南さん。
近藤さんが零した茶の処理をしながら冷静に対処できる姿は凄いと思う。
