変わりゆく華たち 第一幕 散ル華






「神崎、条件は覚えてるよな?」



覚えてないなんて言わせぇねぇけどな。



「お前はこれからここに住んでもらう。
あー、それから俺らの指示も聞いてもらうからな。
取り敢えず、総司のところに行ってここの案内をしてもらえ。

山崎、いるか?」



「はい、此処に」



俺は周りを見渡して山崎を探す。すると山崎は、道場の入口で片膝立て頭を下げていた。




「コイツを総司のいる部屋に案内してやれ。
それから、総司の手当ご苦労だった。ありがとな」



「いえ…。
んじゃあ、伊織…だったけか?ほな行くで」



「…じゃあ頼んだぞ」



山崎は返事をするとソイツの手首を引っ張りながら出ていった。


俺は床に転がっている二本の木刀を拾い、元あった壁にかける。

そしてそのまま背中を壁にあずけ、一息吐いた。


にしても、さっすがに疲れたな。
女子だからと見縊( ミクビ)り過ぎていたな。真逆(マサカ)あんなに動けるなんてな。


今後アイツをどうするべきか...。
…取り敢えず、近藤さんの所に行ってみっか。



俺は近藤さんが普段居る局長室へ足を運び、道場を後にした。