「神崎、条件は覚えてるよな?」
覚えてないなんて言わせぇねぇけどな。
「お前はこれからここに住んでもらう。
あー、それから俺らの指示も聞いてもらうからな。
取り敢えず、総司のところに行ってここの案内をしてもらえ。
山崎、いるか?」
「はい、此処に」
俺は周りを見渡して山崎を探す。すると山崎は、道場の入口で片膝立て頭を下げていた。
「コイツを総司のいる部屋に案内してやれ。
それから、総司の手当ご苦労だった。ありがとな」
「いえ…。
んじゃあ、伊織…だったけか?ほな行くで」
「…じゃあ頼んだぞ」
山崎は返事をするとソイツの手首を引っ張りながら出ていった。
俺は床に転がっている二本の木刀を拾い、元あった壁にかける。
そしてそのまま背中を壁にあずけ、一息吐いた。
にしても、さっすがに疲れたな。
女子だからと見縊( ミクビ)り過ぎていたな。真逆(マサカ)あんなに動けるなんてな。
今後アイツをどうするべきか...。
…取り敢えず、近藤さんの所に行ってみっか。
俺は近藤さんが普段居る局長室へ足を運び、道場を後にした。
