変わりゆく華たち 第一幕 散ル華





コイツが連続で討ち込んできた時で一本入れればすぐに終わる。


暫く討ち込んだからコイツの打ち込みの速さには慣れたしな。



「オラヨッ!!」



俺は胴めがけて木刀を持ち込んでいく。


コイツは素早く避け、俺の喉元をめがけて木刀を突き出してくる。
俺もその攻撃を避ける。


多分、今までのやり方を考えるとコイツは足元を狙ってくるはずだ。
足元を狙い、俺の体制が崩れた時に俺の胴、もしくは頭部めがけて打ち込んでくるはずだ。


そうなる前に、一本とれば終わる。



コイツは下段に構え、こっちに走り出した。


俺はまだ動かない。ギヒギリまで間を詰める。
それが、俺がコイツに勝てる手段ってわけだ。



――今だ!



俺は足首に当たる予定の木刀を避けるため、高く飛びコイツの背後まで回った。


そしてそのまま首に軽く木刀を当てた。



互いの動きが止まった。



「神崎、俺の勝ちだ」



俺はコイツが持っている木刀をとって、前に回った。


コイツの目を見ると動揺にしているように見えた。