今までは討たれっぱなしだったが、今度はこっちから討ちこませてもらうぞ。
「オラッ!!」
一度、木刀どうしが離れたのを見計らって、思い切りコイツの木刀に打ち込む。
ガッ!!
ガンッ!!
俺らはひたすら木刀をぶつけ合っていく。
コイツ…やっぱり只者じゃねぇな。
こんなに打ち込んでいのに、呼吸一つも乱れないなんて相当だ。
しかもコイツは女。ちっせぇ時から剣術に慣れていたっておかしすぎるだろ。
「っぶね!」
「考え事とはずいぶん余裕だな」
「俺だって呑気に考え事してんじゃねぇんだよ」
こう言っちゃアレだが、所詮は女だ。
息の乱れはそれ程無いものの、最初の時と比べれば打ち込みが弱くなってきている。
たまに強く打ち込んでくる時はあるが、次の打ち込みでは威力は落ちている。
要するに、これを暫く続けているとコイツの体力は確実になくなっていくわけだ。
だが生憎そんな時間はねぇ。
総司の様子を見に行ったり、近藤さんや山南3の所にこの事の報告にも行かなきゃいけねぇし、他にも沢山のやることが残っている。
生憎、コイツに時間をくれている暇はない。
