―――キンッ



自分の刀を素早く持ち替え、首を落とされるはずの刀を受け止めた。


こいつ、本気で俺を殺すつもりなのか?

危ないやつだ。



「何処に行くつもりだ。」



「何処って……
帰るに決まってるだろう。」



それ以外に一体何があるって言うんだ。

只でさえ、早く此処から出て行きたいのに。


巧さんが作った美味しい甘味が食べたいのに。




「あ゛?そんなことが許されると思っているのか?」



「俺はここの隊士ではない。
よって、お前らが何を言おうが関係ない」



土方はまだ刀を降ろそうとはしない。


刀にまだ力を入れている。



「俺と沖田は死合をした。

そして沖田は俺との死合に負けた。
俺が勝った」




沖田に勝ったんだから死合の条件にそって俺は此処から出て行くだけ。


それの何がいけないんだ。




「――それは総司のときの話だろ」




…どういうことだ?




「わかんねぇのか?

それは総司との死合の話なんだろ。


俺はテメェに出ていってもらいてぇが、それだと近藤さんが困るんでな。」




だからなんだ。


近藤さんの為にそこまでやれるアンタには多少の関心はあるが、俺にとっては何回も言うが関係ない。


それに出て行って欲しいなら、一生懸命説得でもしたらどうだ。