「…っ…ぐっ……」
暫くすると、沖田のうめき声が聞こえてきた。
「っ!?総司!!」
斎藤は俺を睨むとすぐに止まった足を動かし、
沖田をゆすり意識の確認を取った。
俺は“床に刺さった”刀を引き抜いた。
沖田に向けておろした刀は、心ノ臓を突かず、左脇の開いている部分に向けて刺した。
「うっ…」
沖田は呻き声をあげるだけで、ぎゅっと閉じた目を開かない。
そんなに強く蹴り上げたのだろうか。
…力加減、次からは気を付けないとな。
そんな事を考えながら刀を鞘に戻した時、
「―――何事だ」
「伊織…さん?」
威圧のある声、そしてか細い声が道場の外、…入り口から聞こえた。
「隊士から連絡があって来てみれば、テメェは一体何してるんだよ。
なあ、神崎伊織。
うちの大切な隊士に
何やってくれてるんだよっ!!」
土方の怒りの声が頭に響いた。
「っ、総司くん!!」
藤堂は沖田の姿に気が付いたらしく、沖田の元へ駆け寄った。
「何って…沖田と“死合”をしただけだが?」
俺はそう言いながら土方の隣をすり抜けようとする。
沖田との条件付きの死合は終わったから。
「待ちやがれ」
「おっと…」
けど、土方はそれを許してくれないらしい。
自分の腰に差していた刀を鞘ごと抜いて、入口を塞いできたから。
