「日向……、あそこにいるのって…」




「あ、ああ…、でも、そんなわけが…」




だってそんなことあるわけがない。



俺たちがどこを探しても見つけることが出来なかった。



いろんな者たちの手を借りても見つけることすら出来なかった。




けど、そこにいるのは、俺たち二人が探していて、とても大切な方で、どんな時でも一緒にいた――――








「伊織…さ、ま?」








彰が小さく呟いた。




「彼は神崎伊織くん。今日からここに住むことになった子。みんな、よろしくしてあげてね」



沖田組長がそう紹介する。


やっぱり見間違えじゃない。





「………」




俺は黙って…いや、呆然として伊織様を、伊織を観ていた。