皆の叫び声が耳に残る。
苦しもがくようなあの声が。
「…まえ……が」
「んだよ!!はっきり言って…ガッ!!?」
宙に浮いている身体を使い、やつの腹めがけて思い切り足を伸ばし蹴りを入れる。
「新八!」
「永倉!!」
大きな身体は後ろへ倒れていく。
「黙れ!!
俺がお前ら人間の事なんてわかるわけ無いだろ!お前ら人間はいつも勝手だ!自分たちの思い通りにならなければその相手を消す。
そんなお前らと同じだとでも?
ふざけるな!!」
身体が震える。息が苦しい。喉が痛い。
「ハァ、ハァ……あんたらはもう俺に用がなくなった。帰らせてもらう」
早くこの場を立ち去ろう。
もうこんな所に居たくない。
今度こそここから出ようと襖に手を伸ばした時、凄い力で手首を捕まれ、後ろへ倒される。
「っ!?」
思いきり背中を強打し、呼吸ができなくなった。
気を抜きすぎた。一体誰、が……!?
「何処にいくつもりだ?こんな夜中に」
「なっ!?」
土方の顔が目の前に見える。
つまり、俺は土方に押し倒されたような形になった。
