そう伝えると、
「ふふ、少々お待ちください」
と言い、店の奥に入って行った。
美人さんだな。
この店にこんだけの人がいるという事は
この人がいるからなのか?
これが世間一般的に言う“看板娘”とかいうやつなのか?
「おまちどうさま」
声のした方に目を向けると、先程の女が持ってきてくれた。
「どうも」
お盆を受け取ると女は店の奥へ戻って行く。
お盆の上には抹茶とみたらしとあんこの団子が1本ずつある。
頂きますと声をかけて団子を口に運んだ。
口いっぱいにみたらし団子の味が広がった。
とっても美味い。
もう一口食べよう。
パクリとまた食べた。
「おお〜、美味そうに食ってくれるじゃねぇか!」
…誰だ?
「おいおい、嫌そうな顔をするなよ。
おーいこいつだろ?百合が言っていた女…い゛っ…!!」
「コラ!
そのことを大きな声でいうもんじゃ無いでしょ?
ごめんなさいね、巧が…」
今はごめんなさいとか、俺には関係ない。
いや、関係あるが
何故この男と女は……
俺が、
女
であることが分かったんだ?