暫くの間沈黙が続く。


俺は目の前にいる男を真っ直ぐ見つめた。



よく見ると手足は細いが、程良く筋肉が付いている。


顔立ちも可愛い、そう呼ばれる種類に入るだろう。町娘に人気がありそうだ。


そして女装なんかでもさせたら、女として通るだろう。


ああ、なんで俺はこういう顔立ちにならなかったんだ。


母様は綺麗だったな。

父様はかっこ良かった。



「あの、俺ひじか…副長のところに行って、貴方が起きた事を伝えてきます。なので貴方はこのままこの場所に居てください」



そう言うとお辞儀をして早々と出て行った。



見過ぎたか…




『ひじか…』


確かそう言ってたよな。


昨日の奴の一人か。

やたら怒りっぽい人間だったほうだ。