変わりゆく華たち 第一幕 散ル華





「ああ、ちょっと見張ってて欲しい奴がいてな…」



土方さんが僕に目を向けた。


特徴を言えってことかな…?



「黒いような藍色のような…まあそんな感じの長着を着ていて、顔が隠れるほどの笠をかぶった背丈の小さな男の子。刀は一くんと同じ右に差してたよ」



武士にしては珍しく刀を右に差していた。


そういえば何で刀を右に差してるんだろう?剣術を習うときは刀を右手で扱うように指導される筈だ。


まあ、一くんみたいに例外として右に刀を差してるのかな?


でも、右に差しているだけで武士からも、浪士からも変な目で見られるのに…


なんか理由でもあるのかな?



「右に刀を差してるんか…。特徴もえらく分かりやすいな……。

わかりました、見つけ次第報告に来ます。では、失礼します」



そう言うと山崎は、今度は襖からでていった。