土方さんはなんだかんだ言って優しい。
“鬼の副長”なんてよく言われているけどそれは壬生浪士組のため。
この組織を強くするためにその名を買っている。別にあなたが全部背負う必要はないんですけどね。
「さて、どうするか…」
土方さんが呟く。
確かにあのまま放っておくわけには行かない。
酔っ払い三人は別にどこに居ようと構わない。きっとそのうち出てくるだろうし、すぐに捕まえることができる。
だけど問題は、あの腕の立つ笠をかぶった男の子。あの格好は覚えたけど、僕たちが見つけてもすぐに捕らえることが出来ない。
