変わりゆく華たち 第一幕 散ル華





「油断してたら逃げられて追いかけたんですけど、取り逃がしてしまいました」



土方さんがいったとおりはぐらさずにしっかり答えた。


僕は一番組の組長。
いつもはふざけるけど、こういう時は自分で言うのは変だけどしっかりする。



「そうか…」



「……あれ?怒らないんですか?」



いつもなら、というか絶対に

取り逃がすんじゃねぇっ!

とか言ったりして怒るかと思った僕は少し気が抜けた。



「あのな、さっきお前らが廊下で大声で話してたの聞こえてんだよ」



もしかして平助とのやり取りのこと?

けどあれ、明らかに平助のほうが声が大きかった。



「…だが、過ぎた事はしょうがねぇってワケではないが、次は気をつけろ。」



「はい」