「油断してたら逃げられて追いかけたんですけど、取り逃がしてしまいました」
土方さんがいったとおりはぐらさずにしっかり答えた。
僕は一番組の組長。
いつもはふざけるけど、こういう時は自分で言うのは変だけどしっかりする。
「そうか…」
「……あれ?怒らないんですか?」
いつもなら、というか絶対に
取り逃がすんじゃねぇっ!
とか言ったりして怒るかと思った僕は少し気が抜けた。
「あのな、さっきお前らが廊下で大声で話してたの聞こえてんだよ」
もしかして平助とのやり取りのこと?
けどあれ、明らかに平助のほうが声が大きかった。
「…だが、過ぎた事はしょうがねぇってワケではないが、次は気をつけろ。」
「はい」
