あの時は本当にビックリしたな。
いくら酔っ払いだとしても三人の浪士相手に男の子一人。体格的にも無理があると思った。
「そしたら男の子は刀抜かずに一人の男倒したんです。それもかなり腕が立つもののように感じました」
「で?」
え?
「その酔っぱらい浪士三人と、腕の立つガキはどうしたんだ」
なんだ、そんなことか。
いきなり何言い出すかと思えば……
「浪士三人は隊士に追わせたんですけど、逃したみたいです」
「そうか…で、総司、
はぐらさずに正直に話せ。腕の立つガキはどうした」
あーあ、ホントは分かってるクセに。
どうしてそうやって問い出すんだろう。
