僕は土方さんの部屋の出入口前に座った。
「……おい、なんでそんな遠いんだよ」
「え?だって土方さんの近くに行きたくないですし…」
僕がそう言うと、土方さんは机をドンッと叩いた。きっと、怒りを机に当てたんだろう。
今でさえこんな状態なのに、これからきっと怒られる人の近くに居たくないじゃないですか。
「巡察の報告に来ました」
「……どうだったんだ」
「えっと、町で酔っぱらいの浪士が女の子に絡んでたんです。そしたら笠をかぶった男の子が来て酔っぱらいから女の子を離させたんです」
土方さんは手を休めることなく書類を片付けながら僕の話に耳を傾けている。
「それでそこから浪士がその男の子に怒って刀を抜いたんです。」
