僕は襖の前で大きく息を吸い込んだ。 そして、 ―――スパーンッ 思い切り襖を開けた。 そして大きな声で一言。 「土方さーーん!!しつれーしまーす!!」 「っ…、総司!!テメェーは何回言ったらわかるんだ!!開ける前にひと声かけて許可をもらってから入れと言ってるだろうが!!」 仕事中だったのか、筆を片手に持ちながら大きな声で怒鳴ったこの人は此処、壬生浪士組の(鬼)副長の土方歳三。 試衛館時代からずっといっしょにいる一人。 さっき途中まで一緒だった平助も同じ試衛館仲間だ。