「っ…!貴様!!
俺らが誰だかわかってその口を聞いてんだろうなぁっ!!!」



酔っぱらいは気が短いんだな。


そもそも、そんなこと言われても分かるわけがないだろ。


初めてあった人間を“はい、勿論知ってますよ。”なんてなったら怖いだろ。




「俺らはなぁ、この町も守っている武士様なんだよ!ガキは引っ込んでな」



「あと後ろ居る女をこっちに寄こしな。寄こすならテメェのことを見逃してやる」



ギャハハハと嘲笑う三人の男。

品のない笑い方だな。



「さぁ、その女をこっちに――」



「断る」



この町を守る武士様?


その武士様がこの町にいる人間を怖がらせてどうする。


そんな奴らのどこを見て信用しろと?



だいたい、あんたら人間の事なんかこれっぽっちも信用していない。



俺は被っている笠を顔が見えないように頭に押し付けた。