まずその呼び名で呼んで言い訳がない。
恥ずかしい。


そして客に接客をさせるなんてどうかと思う。


自分が営んでいるからと言って、客に任せるか?普通。



最後に巧さん。


あなたは確かに甘味を作る腕は
確かで天才だと思うが、
その呼び名の名付けかたは全く天才ではない。



むしろ酷い、止めてくれ。



会うたびその呼び方をするつもりか。




そんなあなたは天才と呼べるはずがない。



「あら、行っちゃった」



百合さんそうじゃないです。


今とは言わないが説得してください。



――――――――――



それからグタグタと時は過ぎ、
団子をしっかり食べることなく、勘定を払い店を出て行った。


それから今日までの三日間ここに通っているが、その呼び名は直されるはずがなく終わっている。



「いやー、それにしても
いつ見てもいい顔立ちしてるな?羨ましいぞ?

さすが色男ちゃん!」




ハァ……勘弁してくれ…



ほら見ろ、店の客の視線が俺たちの方に向いているだろ。


笑ってくれてるがほとんどが苦笑いだ。



たった三回とはいえ、毎回こんなことをしてたら注目の的になるのは予想がつく。



だから--



「……?」



外で何かやってるな。

店の前がやけに騒がしい。