大切な人の為に俺は行動している。




「…理由は聞かないわ。

さて、この話はもう終わりにしましょうか。
…巧?」



百合さんが巧さんを呼びかけたのを追うように巧さんを見た。



見てみると顎に手を添え何かを考えているような素振りをしている。それも必死に唸らせながら。


何やっているんだ。


そしていつ座ったんだ。



―――ガタッ



「…っ!?いきなりなんだ!びっくりするだろ!!」




大きな音を立てて椅子から立ち上がった巧さんをみる。


するとこちらを振り向き俺の方を思い切り掴んだ。



「よし、決めたぞ俺はっ!!」 



何を決めたかは関係な…くはないが、思いきり肩を掴むな。


微妙に痛い。



「何を決めたの?」



「こいつの呼び名だ!」




……は?



何言っているんだ、いきなり。


この夫婦は一体何なんだ。

自由すぎる。



「俺は今日からお前のことを“色男ちゃん”と呼ぶ。いいよな?


さてと、客に任せたままの仕事をしてくるか!!」



いやー、俺って天才!と言いながら店へ戻っていった。


とにかく色々言わせてくれ。