私には好きな人はいなかった
特別欲しいわけでもなかった
友達さえいれば
バカみたいな事を笑いあえる友達さえいればよかった。
小学6年生のころ
私はイジメにあっていた
いじめられているのは
私だけじゃなかった。
何人もの人がローテーションでいじめられていった。
この地獄のローテーションは
私で止まった。
それまでぐるぐるぐるぐる回っていたローテーションは私になった途端に止まってしまった。
それまで私はその地獄のローテーションに不満を持っていて、やめた方がいいってと偽善者のようにウザいことを言っていた。
自分の言ってることが間違ってるなんて一度も思った事がなかったので、自分でもなぜ止まったか自然と飲み込めた。
ずっと我慢していた。
中学生になるまでの我慢だと。
卒業すれば何もかも終わる。
きっと大丈夫だと。
イジメは最初は避けられ逃げられとずっと1人でいた。
1人でいる事は苦ではないが、このイジメと言うものはなぜか全く違って自分を悪い方悪い方へと考えてしまっていた。
そんなイジメも日を重ねるごとにマシになって行った。
卒業式の練習など
イジメの事を忘れる位になっていた。
でも、やっぱり辛くて。
帰りはいつも1人で歩きながら、みんながいなくなったことを見ては泣いていた。
弱いけど泣くことしか出来なくて悔しかったけど。
その時間は自分が自分であるためには必要な時間だった。
私はその時間のためみんなよりちょっと遅く帰るか寄り道しながら帰っていた。
いつものように辛いことを全て涙と一緒に流すための時間がきていた。
辛い。
私なんかが生きてる意味は?
あいつらにいじめられるために生きているのか?
違う。
そんな風に自分を見つめていた。
そんな時
「大丈夫?」
と優しい声が聞こえた。
その時の私は普通じゃない。
「見てわからない?」
これが私とあいつの出会い方。
史上最悪の出会いをしてしまったんだ。
こういう時に可愛くぶりっ子出来たら今こんな風になっていないだろうと思った。
こんな惨めに泣いたりしてない。
その男の子はクラスメイトで、みんなの中心にいるようなそんな奴だ。
その子の名前はゲンキ。
いつもみんなの事をくだらないことで笑わせて…
女の子にもモテていた。
面白くて、優しくて、ちょっとエロくて…
私にはわからなかった。
どこがいいのか、なぜ好きになるのか。
女も男も単純だ。
私は無視して歩いて行くとゲンキが後をついてきた。
しつこい。
しつこい。
しつこい。
「しつこい!!」
…心の声が本当に出てきてしまった。
ゲンキは驚いていた。
「…大丈夫かよ。本当に。なんか、ごめんな。」
私がいじめられてるのはあからさまだ。
なのに、無神経にそんなことを聞く。
信じられない奴だ。
こいつこそ、偽善者だ。
私は何もなかったように、歩いた。
いつも歩いてる道を。
私とゲンキは元々普通に喋るし、バカな話もしていた。
確かに優しいし…
今までならきっと、可愛い返事が出来たんだろうな。
可愛いって言っても、ぶりっ子じゃなくて優しさのある言葉を言えただろう…
私こそ…
私こそ…
本当にごめん。
ゲンキは次の日とても気まずそうだった。
…ズキッ。
胸が痛んだ。
私の事心配してくれたのに…
唯一いじめられてる私に話しかけてくれるのに。
申し訳ないことしたかな…
そんなこと思っててもやっぱりイジメは続く。
こんな毎日はやく終わればいいのに…
でも、私があまりに堪えないからか…
最近はなんにも無くなっていた。
むしろ、私の方から避けていた。
中学生までにイジメはすっかり止んでいた。
でも、いじめっ子と一緒にいたくはないから1人で帰っていた。
なんだか、清々しくて気持ちが良かった。
だから、昨日までとは違った涙が流れた。
きっと、とても綺麗な涙だ。
私はこれでいいんだ。
1人でも強く生きて行くんだ。
「お前。また泣いてんのか?」
無神経なやつ。
「…」
私に話しかけて何の利益があるんだ。
何もないのに。
バカみたい。
また、優しく言えない。
ゲンキは本当にいい奴。
私がダメなんだよね。
ゲンキ…
この時からかな。
ゲンキを意識し始めたのは。
気付くのが遅すぎたね。
私……
特別欲しいわけでもなかった
友達さえいれば
バカみたいな事を笑いあえる友達さえいればよかった。
小学6年生のころ
私はイジメにあっていた
いじめられているのは
私だけじゃなかった。
何人もの人がローテーションでいじめられていった。
この地獄のローテーションは
私で止まった。
それまでぐるぐるぐるぐる回っていたローテーションは私になった途端に止まってしまった。
それまで私はその地獄のローテーションに不満を持っていて、やめた方がいいってと偽善者のようにウザいことを言っていた。
自分の言ってることが間違ってるなんて一度も思った事がなかったので、自分でもなぜ止まったか自然と飲み込めた。
ずっと我慢していた。
中学生になるまでの我慢だと。
卒業すれば何もかも終わる。
きっと大丈夫だと。
イジメは最初は避けられ逃げられとずっと1人でいた。
1人でいる事は苦ではないが、このイジメと言うものはなぜか全く違って自分を悪い方悪い方へと考えてしまっていた。
そんなイジメも日を重ねるごとにマシになって行った。
卒業式の練習など
イジメの事を忘れる位になっていた。
でも、やっぱり辛くて。
帰りはいつも1人で歩きながら、みんながいなくなったことを見ては泣いていた。
弱いけど泣くことしか出来なくて悔しかったけど。
その時間は自分が自分であるためには必要な時間だった。
私はその時間のためみんなよりちょっと遅く帰るか寄り道しながら帰っていた。
いつものように辛いことを全て涙と一緒に流すための時間がきていた。
辛い。
私なんかが生きてる意味は?
あいつらにいじめられるために生きているのか?
違う。
そんな風に自分を見つめていた。
そんな時
「大丈夫?」
と優しい声が聞こえた。
その時の私は普通じゃない。
「見てわからない?」
これが私とあいつの出会い方。
史上最悪の出会いをしてしまったんだ。
こういう時に可愛くぶりっ子出来たら今こんな風になっていないだろうと思った。
こんな惨めに泣いたりしてない。
その男の子はクラスメイトで、みんなの中心にいるようなそんな奴だ。
その子の名前はゲンキ。
いつもみんなの事をくだらないことで笑わせて…
女の子にもモテていた。
面白くて、優しくて、ちょっとエロくて…
私にはわからなかった。
どこがいいのか、なぜ好きになるのか。
女も男も単純だ。
私は無視して歩いて行くとゲンキが後をついてきた。
しつこい。
しつこい。
しつこい。
「しつこい!!」
…心の声が本当に出てきてしまった。
ゲンキは驚いていた。
「…大丈夫かよ。本当に。なんか、ごめんな。」
私がいじめられてるのはあからさまだ。
なのに、無神経にそんなことを聞く。
信じられない奴だ。
こいつこそ、偽善者だ。
私は何もなかったように、歩いた。
いつも歩いてる道を。
私とゲンキは元々普通に喋るし、バカな話もしていた。
確かに優しいし…
今までならきっと、可愛い返事が出来たんだろうな。
可愛いって言っても、ぶりっ子じゃなくて優しさのある言葉を言えただろう…
私こそ…
私こそ…
本当にごめん。
ゲンキは次の日とても気まずそうだった。
…ズキッ。
胸が痛んだ。
私の事心配してくれたのに…
唯一いじめられてる私に話しかけてくれるのに。
申し訳ないことしたかな…
そんなこと思っててもやっぱりイジメは続く。
こんな毎日はやく終わればいいのに…
でも、私があまりに堪えないからか…
最近はなんにも無くなっていた。
むしろ、私の方から避けていた。
中学生までにイジメはすっかり止んでいた。
でも、いじめっ子と一緒にいたくはないから1人で帰っていた。
なんだか、清々しくて気持ちが良かった。
だから、昨日までとは違った涙が流れた。
きっと、とても綺麗な涙だ。
私はこれでいいんだ。
1人でも強く生きて行くんだ。
「お前。また泣いてんのか?」
無神経なやつ。
「…」
私に話しかけて何の利益があるんだ。
何もないのに。
バカみたい。
また、優しく言えない。
ゲンキは本当にいい奴。
私がダメなんだよね。
ゲンキ…
この時からかな。
ゲンキを意識し始めたのは。
気付くのが遅すぎたね。
私……

