ｽﾄﾚｲ･ｷｬｯﾄ☆ｼｭ-ﾃｨﾝｸﾞ･ｽﾀ-

　そして本当に、ぼくは目覚める。

「今、夢を見ていたのか」

　子猫なんて全く居たようすなどなく、夢を見ていたとぼくは気が付いた。午後十二時。どうやら、少しばかり夢を見ていたようだ。

「なんだ、三時間しか寝てないのか？　でも、夢なんて久しぶりに見たなぁ」

　ぼくは、やけにハッキリとした夢を見るのは本当に久しく、少しうれしく思えた。いつもは、疲れ果てて夢なんて覚えていない。

「子猫が夢？　久留美ちゃんは？」

　まさか久留美との昨夜の出来事も夢じゃないか？　と、ぼくは不安になったが、携帯電話に久留美からの返信が届いていることに気が付いた。

　ぼくは急いで携帯電話を開いてみる。

「あ、返事かなぁ、久留美ちゃん」


　なぜだか、涙がこぼれ落ちそうになった。