ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-

 次の日からぼくと久留美の本格的なメール交換が始まった。
 
 車で外回りに出る。遅い昼食。道路脇に車を停めて、コンビニエンス・ストアで買ったパンをかじり、久留美にメールを送る。

『こんにちはショーゴです。今、外回り中なんだけど、遅いお昼を食べてるよ。久留美ちゃんは仕事してるのかな?』
 
 メールを送って、一服する。午後からは客先との約束もなかったので、ゆっくりサボれる、そんなことを考えながら、最近メンソールに変えた煙草の感触を味わっていた。
 
 携帯がメールを受信。久留美からの返信だ。

『ショーゴ君こんにちは。わたし、今仕事してないんだよ。体調を崩してからは家でのんびりしてる。近くに図書館があるんで、よく本なんかを読むよ。今、借りてるのは、なんか知らないけどホラーみたいなやつ。映画もよく観るよ。ビデオやけどね。最近観たのは戦場のピアニストとシカゴかなぁ。どっちも良かったよ』
 
 ぼくは久留美からのメールがうれしくて、すぐさま返信する。

『ぼくも観たよ、シカゴ。良かったよね! ぼくは映画も観るんだけど、音楽が好きでよく聴きます。昨夜もメールでいったけれど、ぼくは久留美ちゃんを口説き落とすつもりでメールを送りました。彼氏がいるっていってたけど、いいですよね!』
 
 三上に焦ってはいけないと忠告されてはいたのだが、ぼくはそんなことをメールにして久留美に送っていた。
 
 メンソールの煙が車内を埋め尽くしていく。ぼくはウィンドウを開けて外の空気を車内に入れた。
 


 子猫が目を覚ます……。