足下にまとわりつく子猫。
ぼくはひとつの書き込みに目が止まった。子猫の爪がこころのドアを引っ掻いた……。
『久留美。27歳。女性。A型。彼氏有りなので純粋なメール友達が欲しいです。』
彼氏有りと書かれていたにも拘わらずに、ぼくはなぜかそのメールに目が止まった。
『彼氏がいるのでメールだけのお付き合いですが、よろしくね!』
何かにあやつられるかのように、ぼくはその久留美のメールに返信していた。携帯電話を片手に煙草を一服。サイトの中にいるので、いやがおうにも指先の動きが早くなる。
『既婚者のショーゴです。久留美ちゃん、不純じゃ駄目でしょうか?』
最初のアクセスから五回目のアタック。まだサイトの中なので、ぼくは待つことしか出来ない。
「返ってくるかなぁ?」
ぼくは、久留美のBOXにメールを残して、返信を待つことにした。
不忍池から足を伸ばして、珠希の実家に顔を出す。相変わらずやつれた顔色の珠希だったが、前よりも元気そうでなによりだった。
「ごめんね」
パジャマ姿のまま、あたまを下げる珠希。ぼくはその姿を見て、こころの中でそのことばをそのまま珠希に返していた。
(ごめん)
身体に湧き上がる寂しさを、他で埋めようとしている自分。ぼくは珠希の瞳を上手く見ることが出来なかった。四、五分の会話。帰りに珠希の母親から夕食にと肉じゃがをタッパにもらってマンションに戻った。
「そうそう、久留美のかわいい度をチェックしとかなきゃ」
夕食を済ませたあと、ふたたびサイトに入って久留美の書き込みをチェックする。返信は未だ届いていなくて自分のメールBOXは空っぽ。
久留美。27歳。女性。A型。顔アイコンは茶髪のノーマル。関西出身。きれい度・3。
「あ~きれい度3だ!」
胸が踊った。そのまま進める。
きれい度・3。甘えた度・4。かわいい度・4。笑い度・3。おしとやか度・3。家庭的度・4。
ぼくはひとつの書き込みに目が止まった。子猫の爪がこころのドアを引っ掻いた……。
『久留美。27歳。女性。A型。彼氏有りなので純粋なメール友達が欲しいです。』
彼氏有りと書かれていたにも拘わらずに、ぼくはなぜかそのメールに目が止まった。
『彼氏がいるのでメールだけのお付き合いですが、よろしくね!』
何かにあやつられるかのように、ぼくはその久留美のメールに返信していた。携帯電話を片手に煙草を一服。サイトの中にいるので、いやがおうにも指先の動きが早くなる。
『既婚者のショーゴです。久留美ちゃん、不純じゃ駄目でしょうか?』
最初のアクセスから五回目のアタック。まだサイトの中なので、ぼくは待つことしか出来ない。
「返ってくるかなぁ?」
ぼくは、久留美のBOXにメールを残して、返信を待つことにした。
不忍池から足を伸ばして、珠希の実家に顔を出す。相変わらずやつれた顔色の珠希だったが、前よりも元気そうでなによりだった。
「ごめんね」
パジャマ姿のまま、あたまを下げる珠希。ぼくはその姿を見て、こころの中でそのことばをそのまま珠希に返していた。
(ごめん)
身体に湧き上がる寂しさを、他で埋めようとしている自分。ぼくは珠希の瞳を上手く見ることが出来なかった。四、五分の会話。帰りに珠希の母親から夕食にと肉じゃがをタッパにもらってマンションに戻った。
「そうそう、久留美のかわいい度をチェックしとかなきゃ」
夕食を済ませたあと、ふたたびサイトに入って久留美の書き込みをチェックする。返信は未だ届いていなくて自分のメールBOXは空っぽ。
久留美。27歳。女性。A型。顔アイコンは茶髪のノーマル。関西出身。きれい度・3。
「あ~きれい度3だ!」
胸が踊った。そのまま進める。
きれい度・3。甘えた度・4。かわいい度・4。笑い度・3。おしとやか度・3。家庭的度・4。
