振りかざした携帯電話の意味が解らなかったので聞いてみると、三上は辺りを見回してから、抱えているビデオを返却棚に戻して、休憩室になっている事務所内へ誘ってきた。
ぼくは言われるままに三上のあとについて部屋に入ってみると、乱雑に置かれている大量のビデオテ−プが目に入ってくる。
テ−プ切れ、画像不良と書かれたちいさなメモが張り付けてあるものや、中身のテ−プがぐちゃぐちゃに引き出されたものなんかが、その部屋のスペ−ス半分ほどを覆いつくしている。三上はそのごみ溜めの中からスチ−ル製の椅子をふたつ引っ張り出して、ぼくに渡してくれた。
部屋の外にはFMからのメロディ。微かな音が耳に入る。
「柏原さん、奥さん実家に帰ってるってことは、絶好のチャンスっすよ。うちでAV借りるのもいいんやけどさ」
意気揚々に三上は口走り、ぼくにひとつの出会い系サイトを出した。タバコの煙りを揺らしながら携帯電話を操作する。
「柏原さんて、オレと同じ会社の携帯やろ? ネットに入って、ここから、こう行く……」
三上が操作する携帯電話の液晶画面に、浮かび上がるそのサイト。
“Hunting・friend”
「ここでさぁ、オレ四人喰ったんよ! しかも半年の間に」
「へぇ〜」
ぼくは興味なさ気に返事する。三上はそんなぼくを気にも止めず、どうやらサイト内に入ったようである。
目の輝きが、さっきとは違う。瞳の奥、興奮しているのがわかる。
「あ、返事来てる」
どうやらお目当ての娘から返信が届いているみたいだ。
ぼくは言われるままに三上のあとについて部屋に入ってみると、乱雑に置かれている大量のビデオテ−プが目に入ってくる。
テ−プ切れ、画像不良と書かれたちいさなメモが張り付けてあるものや、中身のテ−プがぐちゃぐちゃに引き出されたものなんかが、その部屋のスペ−ス半分ほどを覆いつくしている。三上はそのごみ溜めの中からスチ−ル製の椅子をふたつ引っ張り出して、ぼくに渡してくれた。
部屋の外にはFMからのメロディ。微かな音が耳に入る。
「柏原さん、奥さん実家に帰ってるってことは、絶好のチャンスっすよ。うちでAV借りるのもいいんやけどさ」
意気揚々に三上は口走り、ぼくにひとつの出会い系サイトを出した。タバコの煙りを揺らしながら携帯電話を操作する。
「柏原さんて、オレと同じ会社の携帯やろ? ネットに入って、ここから、こう行く……」
三上が操作する携帯電話の液晶画面に、浮かび上がるそのサイト。
“Hunting・friend”
「ここでさぁ、オレ四人喰ったんよ! しかも半年の間に」
「へぇ〜」
ぼくは興味なさ気に返事する。三上はそんなぼくを気にも止めず、どうやらサイト内に入ったようである。
目の輝きが、さっきとは違う。瞳の奥、興奮しているのがわかる。
「あ、返事来てる」
どうやらお目当ての娘から返信が届いているみたいだ。
