幾分か年齢層が上がった周辺で、何かしらのビデオタイトルを探す。ひとりの退屈を紛らわすために。店内に設置されているBOSSのスピ−カ−から、高音が強調されたリフレインが流れている。知らない曲。ぼくは棚の下側にある旧作と印された古い洋画を、二本ばかし手にとって立ち上がると、後方にひとの気配を感じた。
振り返ってみると、この店の店長、三上高志が立っていた。
「毎度!」
やけにうれしそうな表情を浮かべて挨拶をする三上。このおとこの出身は近畿、大阪で、二十歳のときに上京して来たと、前に話してくれた。
「久し振りに映画でも観ようかと思って、顔出したよ」
「あれれ、奥さんは? ひとりっすか、今日」
返却するのか、たくさんのビデオを片手に尋ねてくる三上高志。この周辺に珠希と暮らし出してから良く利用していたので、知らずしらずの間にこのおとことは顔見知りになっていて、妻、珠希のことも知っていた。
「あぁ、珠希は今、妊娠していて、ちょっと実家に帰っているよ」
「へぇ、そりゃおめでとうございます。んで、AVすか?」
「違うよ。映画が観たくなって来たんだよ」
からかってくる三上をかわすようにして、サスペンスコ−ナ−に移動。
「なんや、いいタイトル入ったのにぃ」
腰骨が見えるくらいずらしたジ−ンズを引っ張り上げながら、三上はビデオの返却をし始めた。
ぼくはひとしきり店内を回ったあと、三上に帰るというゼスチャ−をして、ビデオを二本手にしてレジに向かった。
「柏原さん、今度良いの教えますわ」
ぼくが振り返ると、返却しながら三上は携帯電話をぼくに見せつけた。
「???」
ぼくは意味がイマイチ解らなかったから、空き出してきたレジ周りであったのだが三上の居る場所までもう一度引き返し、問いただした。
「どういう意味?」
振り返ってみると、この店の店長、三上高志が立っていた。
「毎度!」
やけにうれしそうな表情を浮かべて挨拶をする三上。このおとこの出身は近畿、大阪で、二十歳のときに上京して来たと、前に話してくれた。
「久し振りに映画でも観ようかと思って、顔出したよ」
「あれれ、奥さんは? ひとりっすか、今日」
返却するのか、たくさんのビデオを片手に尋ねてくる三上高志。この周辺に珠希と暮らし出してから良く利用していたので、知らずしらずの間にこのおとことは顔見知りになっていて、妻、珠希のことも知っていた。
「あぁ、珠希は今、妊娠していて、ちょっと実家に帰っているよ」
「へぇ、そりゃおめでとうございます。んで、AVすか?」
「違うよ。映画が観たくなって来たんだよ」
からかってくる三上をかわすようにして、サスペンスコ−ナ−に移動。
「なんや、いいタイトル入ったのにぃ」
腰骨が見えるくらいずらしたジ−ンズを引っ張り上げながら、三上はビデオの返却をし始めた。
ぼくはひとしきり店内を回ったあと、三上に帰るというゼスチャ−をして、ビデオを二本手にしてレジに向かった。
「柏原さん、今度良いの教えますわ」
ぼくが振り返ると、返却しながら三上は携帯電話をぼくに見せつけた。
「???」
ぼくは意味がイマイチ解らなかったから、空き出してきたレジ周りであったのだが三上の居る場所までもう一度引き返し、問いただした。
「どういう意味?」
