ｽﾄﾚｲ･ｷｬｯﾄ☆ｼｭ-ﾃｨﾝｸﾞ･ｽﾀ-

　毎日の仕事に疲れ果て、帰り着く誰も待つことの無い自宅マンション。初めの数日間は快適であった。
　もちろん珠希の手料理は大好きだったのだが、久し振りに食べるコンビニエンス・ストアのお弁当や、冷蔵庫の冷えたビ−ルのひとり占め……。18畳のリビングル−ム。ひとりで観るプラズマワイドＴＶ。しかし、ときが経つにつれて、ひとりで居ることに身体を持て余してきたことを自分自信感じていた。

「はぁ〜退屈だな……」

　ひとりで居るには広すぎるリビングル−ム。珠希が買ってきた観葉植物もこころなしか淋しそうに揺れている。
　壁には珠希が印を付けたカレンダ−。帰宅予定日は二週間後。

「まだ十日以上もあるのか」

　ひとりで観るには大き過ぎるプラズマワイドＴＶ。
「やっぱ二日だな、ひとりで生活するのも」

　珠希と暮らし出して約七年。きっと、珠希に甘えてばかりの七年間だったのだろう。