「あーあ、アイス食べたくなってきた」
「・・・真面目にやれ」
「やーだ!!食べたい食べたい食べたい食べたいぃぃ!!」
「ちょっ!!気づかれるでしょうが!!大声出さないでよ!!」
「・・・煩い」
「あはは、買ってきてあげなよ」
「え、私!?」
「じゃあ私バニラ」
「俺ストロベリー!!」
「・・・チョコ」
「コーヒー」
《じゃあ私は抹茶ね》
《あ!!僕も抹茶でいいやー》
「ちょちょ、ちょっと理解できない」
あぁ、そうだ。
あの頃は楽しかった。
皆が仲良しで、楽しくて・・・
仲間、だと
そう思っていた。
口は悪いけど、誰よりも人思いな重力少年
いつも笑ってて、そのくせドジな記憶少年
気が弱いけど、なんでも知ってる情報少年
自己流で人を困らせるのが得意な直感少女
引き篭りだけど、司令塔をしてる解除少女
クールな割には可愛いとこも多い消失少年
いつも旧校舎に集まっていた友達
一人の裏切りによって崩れた友達
裏切り者は誰でしょう
私がもう一度あの場所に戻っても
あの人を止めることはできないから
重力少年は喋らなくなって
記憶少年は泣いていて
情報少年は姿をくらまし
直感少女はぎこちなく笑い
解除少女は塞ぎ込んでいる
消失少年は変わらなくて
私は・・・
分割少女である私は
今も、何が悪かったのかを考えている
さあ
もう一度、最初から見てみよう
私達の話を
まず、初めての居場所ができた、あの日の話から。