『昨日は大阪も雪降ってたわ。こっちと違って道に落ちりる雪は色んなもんが通るかならぁ。きちゃないや。綺麗なんは降ってるときだけやな。あぁ、あの山にはまだ雪は溶けてへんねんやな。香奈は知っとるやろ?あっこには大きな桜の樹があるん?』
そこ迄良幸が話すと右手の人差し指で桜の樹のある方を指さした。香奈はその指された指を辿って山を見た、ら
『行きたいん?』
そう聞いてみたが、良幸は横に首を振ると
『こんか車椅子で坂は登れんからな。今度来た時にでも行くわ』
そう言ってニッコリと笑った。
『あのな。香奈…俺はお前にホンマに謝らなあかんと思ってるねん。香奈は俺のほんまの娘や。やけどな。生まれた事も知らんかった。12年間な。空白が出来とる』
そう言ってから少し眉間を抑えて俯いた良幸の肩から小さな震えが伝わってきた。
そこ迄良幸が話すと右手の人差し指で桜の樹のある方を指さした。香奈はその指された指を辿って山を見た、ら
『行きたいん?』
そう聞いてみたが、良幸は横に首を振ると
『こんか車椅子で坂は登れんからな。今度来た時にでも行くわ』
そう言ってニッコリと笑った。
『あのな。香奈…俺はお前にホンマに謝らなあかんと思ってるねん。香奈は俺のほんまの娘や。やけどな。生まれた事も知らんかった。12年間な。空白が出来とる』
そう言ってから少し眉間を抑えて俯いた良幸の肩から小さな震えが伝わってきた。


