桜が咲く頃～初戀～

『お父さん。車椅子やけど。まだあかんの？』

そう言った香奈に良幸は『アハハ』と照れた様に笑うと


『まだ、あかんな。でも月曜日から彩未を学校に行かさなあかんし。春休み前の終業式あるからな』

そう行った。


『もう、春休みなるんやったらこのままで良いのでは？』

香奈が少し不思議そうに言うと良幸は白髪な多くなった短髪の頭をポリポリかいてから

『そんな訳にもいかへんよ。学校休ませた分の宿題も沢山あるからなぁ。進級する迄に終わらせないとやし』

そう良幸がいった『宿題』の言葉に反応さした彩未が眉毛をひそめて小さな口をへの字にしてから


『えー！宿題せなあかんの？』


と言いながら良幸を上目遣いに見た。


『そうやで。学校で出された宿題はキチンとせな大変な事になるぞ！』

そう、少し厳しく言った言葉に彩未は少しビクっとしてからガクッと諦めた様に肩を落としてふざけて見せた。


その姿はまるで新喜劇のコントの様で周りの皆を大笑いさせた。