『こら、彩未!おばぁちゃんお迎え行くんやで。早く可愛いお顔になって来なさい』

紀子の「可愛いお顔になって来なさい」の言葉に反応した彩未はスルリと部屋から土間へ降りて来て香奈に甘えた顔で


『お姉ちゃん。彩未なお顔洗うしな昨日みたいにお水だしてぇ』

そう言って座っている香奈の腕を引っ張った。半ば引っ張られてバランスを失った香奈は変なリズムになって椅子から離れ外に出た。

香奈と彩未は昨日の朝に大根を洗った庭にある湧き水を引いた水道場まで行くと香奈は、蛇口をひねって水を出した。彩未は両手を出てくる湧き水に持って行くと。


『わぁおぅ〜つめたぁい』

と言いながら彩未と香奈は水温を確かめながら顔を洗った。寒い朝の湧き水はピリピリと冷えて冷たかったが。とても気持ちよかった。


彩未は昨日の追いかけられたのが余程楽しかったのか?また顔を拭かずに走り回った。


『はよ!はよ!顔を拭かんと風邪引くって言ったやろ?』

そう香奈も言って彩未を追いかけて走り回った。彩未は香奈に追いかけられて余程嬉しいのかキャッキャと笑って逃げ回る。


『早く!お姉ちゃんお腹すいてんねんで!』


そう言いながら香奈はだんだん身体が温まるのも気持ち良いと思った。