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「小宮くん・・・?」
生ぬるい風が吹く音しか聞こえない誰も居ない校庭
大きな木の後ろに人影が見えた。
「沢田さん・・呼び出したりしてごめん」
「ううん」
奈菜はぶんぶんと横に顔を振った。
「椎からお手紙もらいました。
でもごめん!沢田さんの気持ちは受け取れません!」
カイは深く頭を下げた。
「いゃ・・・やだよ!小宮くん!
顔あげてよ!!!」
あんなりにも本気な断り?謝りに
振られてるのは自分なのに奈菜はなぜか小宮のことを慰めなきゃっていう気持ちになった。
「俺・・・他に好きな人がいるんだ。
ずっとずっと大事にしたい人がいる。
だから・・・
沢田さんが嫌いとか全然そういうのじゃないから
あんまり傷つかないで欲しい・・・ごめんなさい。」
「今日一日だけは泣いてもいいかな?
ちゃんと断ってくれて・・ありがとう。へへ」
可笑しい話だ。
振った相手にありがとうとか言うの。
不思議にもなぜか笑えた。
あたし・・・知ってるんだ。
小宮くん、他に告白してきた子にはこういうふうに断ってないんでしょう?
今の断りは本気なんでしょう?
小宮くんの好きな人は・・・・
「あたし、小宮くんの恋応!援する!」
