「うんとね・・・想像力100倍発揮して
あたしがカイのこと好きになるとしても変わることは何もないと思う。
あたしの片思いで終わる悲しい恋になるよ・・・きっと。」
「なんで椎はそう思うの?」
「なんとなく・・・それはないかなーって!思ってるだけ。
・・・友達が好きだった人を好きになるわけがないでしょう!
そんなことしたらあたしの応援が嘘になる。
あたしに奈菜は大切な人だから。
それに・・・」
「やめてよね。本当に、あたしに気使うの!!
確かに小宮くんが好きだったころはあるけど、中1の時よ?
そりゃみんなが小宮くんのこと好きだったし
なんだろう
ほら~なんか周りの雰囲気で好きになるとかあるじゃん?
いや~好きになるっていうより
好きになったと思わせられる雰囲気?うむうまく説明できないけど
今考えてみれば誰かが好きになってはしゃいでる自分が楽しかったのよね。」
奈菜はそう言ってるけど・・・
中1だって、回りの雰囲気でそうなったからってその気持ちは本物だと思う。
あたしは・・・まだ覚えている。
カイに告白して・・・ふられて
ずっと泣いていた奈菜を・・・・。
「奈菜・・・あたしは
終わりの見える恋には・・・踏み出せない。」
「始まってもないのに終わりって・・・」
「奈菜が言った通り雰囲気で好きになるとか・・・
ひょっとしたらあたしもそうだった一人かも知れない。
カイに奈菜のラブレター渡しに行って
カイが友達と話ししてるの偶然聞いたんだ。」
