「おはよう流川(るかわ)さん」
「お・・おはよう・・ございます」
教室に入って真っ先に挨拶をしてくれたのはカイだった。
しかも決まりのアイドル爽やかスマイルで!
「おはよう椎ちゃん」
「おはよう伊崎さん」
椎は席に付いてカバンの中から要点ノートを出した。
いっぱい暗記しなきゃいけない歴史・・・苦手だ。
勉強しなきゃなのに
ずっとカイの隣でおしゃべりしてるこの人
初めてみる顔の人がいた。
いや、正確にはこのクラスでは初めてってことで
よくテレビなどに出る人だ。
あんまりテレビをみないあたしでも分かる人。
彼女のメイクやヘアスタイルが今、女子高性の中で大流行中である。
彼女の名前は
中条カイラ。
確か、同い年じゃなかった記憶があったけど
同じクラスだったみたいだ。
教室で女の子といっぱいしゃべってるカイは久しぶりかも。
とこからあたしたちはそれが出来なくなったのかな~
普通に流川椎と小宮カイで
スクールライフを送りたくて転校までしてきたけど
3年という時間の穴はそう簡単には埋まらないみたい。
子供の時みたいに
喧嘩してキャンディーひとつで仲直りするほど単純じゃなくなったから。
ぼけーとした視線に気づいたのか
「あなたは流川さんだって?あたしは中条カイラ!宜しく!」
「あ、はい」
「カイラでいいの!
ね~流川さんはどこの事務所?モデルさん?タレント?アイドルレッスン性?」
「いや・・ただの学生です」
「うそぉ~~!本当に?
こんなに可愛いのに~~なんで普通の学生やってるの?!!カイラ理解不明~
今すぐにでもデビューできるよ!流川さん!もったいない!」
「カイラさん、一般人にちょっかい出すなよ」
上がる上がるカイラのテンションを止めたのはカイのひとことだった。
「別にカイラ悪いことしないよぉ~
ねえ、流川さん!カイラと仲良くなってくれる?このクラスに女友達いなくてね~」
「あ、うん。」
「やった!!カイラとメアド交換しよ~~」