うちら、恋愛出来る?!


俺・・・最低・・・。

卑怯者だ。

すでにカイから手首を掴まれた瞬間パッと目が覚めた椎は目を丸くして

深く沈めてた顔を上げる、意地悪そう表情のカイと目が合う。

びっくり!!!

カイ・・・顔近いよ!

昨日のあたしへの復讐?

「カイ、お帰り!あたしいつの間に落ちたみたい。

ごめんね。勝手に部屋に入って。

これ放して。」

平気を装い、
落ち着いた声で返した。

「椎は・・・

俺がこんなに近くに居ても平気?」

「へ・・へいきも・・・何も・・・」

平気なわけがない。

そりゃ寝起きで人の顔が近くにいたらびっくり・・するよね。

普通は。

あたし・・・

その普通なのか・・・どうか・・・たぶんその普通で・・・

だから

今かなり動揺してるよ。

「じゃあ、俺が今

椎に本当にキスしてもいいよね?」

はあぁ?!!!

なんで話がそうなる?

耳元でささやかれたカイの言葉が頭の中で響く。

椎。起きないとキスしちゃうよ・・・!

「起きた!もう目覚めたよ!だから」


カイの

今の目は

まるで

最後に中学校屋上で話してた時とまったく一緒。

少し離れてた顔がまた近づいてくる。

キレイに整えた顔が再び近づいてくる。

この強いまなざしは

たぶん・・・

本気だ。


ドクン・ドクン・ドクン・ドクン

これは誰の音?


「あ・・あたし・・」

返事のし方が悪かったかなぁ・・

平気とか言ってプライドに傷付けられた?


「ねえ・・・椎。」

またあたしの手首を掴んでるカイの手に力が入る。


「俺・・・

本気でキスしちゃうよ」