うちら、恋愛出来る?!

徐々に椎の顔にカイの顔が近づく。

ドクン・ドクン・ドクン

この部屋の中には

カイの心臓の音と椎の寝息しかない。

ドクン・ドクン・ドクン・ドクン・ドクン・ドクン

やっべー!

椎にまで聴こえちゃいそうだ。

椎の唇とカイの唇が触れる寸前・・・

「ごめん、椎。

俺にも・・・反則させて・・・」

静かにそうつぶやいたカイは目を瞑って

そっと自分の唇を椎の唇に当てた。

柔らかい・・・

すごい良い香りがする。

苺キャンディー?

リップグロースの香り?

上唇から下唇へほっぺへ・・・首へ・・・

また唇に軽くチュウ・・・

強く口付けたいほど

どんどん腕に力が入った。

やばい・・・

理性・・・飛んじゃいそう。

俺の理性ってこんなに弱かったっけ?

そっと椎の手首を掴み掛けそうになった自分の手を止め

姿勢を整えソファーに背を向けた。

深呼吸。

10



















・・・

カイは勢いよく両手で椎の手首を掴み

深く顔を沈ませ椎の耳元でささやく。

「いつまで寝てるんだ。椎。起きないとキスしちゃうよ!」