(でもこのくらい、いいよね??)
そしてまた、窓の方を眺めている男性にちらりと目を向けた。
こうして朝、隣に座る男性を盗み見るだけだが、由美はこの時間がとても好きだった。
由美が降りるバス停までは20分かかる。
それまでは長いと思っていたバスの道のりも、この席に座り出してからは短く感じる。
毎日の由美の密かな幸せな20分間なのである。
(いけない!小テストの勉強しなくちゃ)
そんなにずっと見つめてるわけにもいかないので、本を読んでいる男性を見習って、由美は学校で毎朝行われている小テストの勉強の本を読むことにしていた。
(うっ……今回の範囲難しいな…。覚えられない)
今回の範囲はなかなか難しく、頭に入ってこない由美は真剣に本を読み始めた。


