ふすまを開けて軍将みたいな感じのガイジンがお辞儀をして入ってきた。

「ダレじゃー殿の寝屋に入れたのは??」殿?

「私めで御座います。。。申し訳ありません。どうしても会いたいと仰られるので。」

メイドっぽい浴衣?着物か。・・のお姉さんが怒られている。

外人が怖くて尻込みしちゃった口だろうな。

「このっ・・」

「じい・・五月蝿い。外交の席だと心得よ。」「は。」

「その方。近くまで参れ。カモン」

「オーイエエこんなにウツクシイ方が大統領だとおもいませんデスタ。」

「早速だが。捕虜は返さぬ。」

「オー。コトバノ護衛を読んでもよいですか?

通訳のことだろうか?

「よい。読んで参れ。」

20分ほどして場が整ったみんなシャンとしている。

「どうしてですか?」

「私の国で窃盗を働いたゆえ、国の法律で裁く。」

「ワタシノところのクニの人間です。」

「ああ。知っているとも。だが実際に悪いことをしたのはここだ。お前の国ではない。」

「シケイですか?」

「いや交流するための人間としてティーチャーをしてもらう。語学のな。
罪をおかせば罰を下す。
しかし誰もその方達の人間は日本人を殺していないのだ。死刑になどしない。
働きが良ければ、家族も呼べるようにしてやる
お前たちと仲良くなるために国のもの達に学問として様々な言葉を教え触れ合って交流してゆくために
10年は使わせてもらう。あとはその個人の判断に任せる。来度は牢から出し寝床も着るものも食べ物も与え給金もだす。だがそちらに返すのはお断りする。」

「オー。ワッカルケド総督になんと言えばいいか。ワッカリマセーン。」

オーバーリアクションに困ってる。

バカっぽいなーこいつ。きっと英語だとすげえ決まったセリフが言えるんだろうが。

「外交について首都の港 九州四国様々な港を開こう。貿易もするとよい。
より良い関係を築いてゆこうではないか。
あとうちは中立国であるが攻撃を受けた場合それに備える手段もある。
しかし攻撃をしてゆくことはない。しなければそれで良い。」

子供の理屈みたいだけどそうなんだよな。

ルカが言いたいのってやられたらやり返すけどやってこなきゃ仲良くするぜ。って話だもん。

「これらを文書化したものをそなたに持たせよう。それで意味がわかるはずだ。瞬ちゃん?」

「書いたよ。」いつの間にかあいつは封筒に手紙を入れていた。

「OHとりあえず報告に帰りマース。失礼しましたレディ。」

「Bye」

「じい。これからは若いものを育ててゆくのだ。外国人からみたら我々も外国人なのだ。わかったな。長屋のものを差別する国は終わったのだ。じいが差別してどうする。繰り返すぞよ。
変わってゆくものの中に己を通せば良いのだ。
我々も外国人をむやみに差別して損せぬようにだが屈せずやってゆこうではないか。」

「は。わかりました。シシャ侍にもそう伝え申します。そうですな。少し傲慢になっておったのかもしれませんな。じいは一層精進しますゆえ。」

シシャサムライって・・・。支社長?だよな。

「今日はここで寝て明日帰ろうか。じいすまぬな。最近は少しも居てやれぬ。だがきちんとしてくれておるので安心した。また来る故くたばるでないぞ。」

「は!このじいはまだまだくたばりませんぞーーゆっくりお休みくださいませ。いつでもごゆるりと。待っておりますゆえ。」


また年寄りにくたばるとか・・・年寄りに言うとシャレにならないんだぞー・・

「うん僕は少し勉強してくる。」「はーい。俺散歩::」

俺は街を歩いたり 子供とベイブレードみたいなものをしたりして遊んだり

アイツは外人たちと交渉術をサムライボーイに伝えてたり紙に書いてたり忙しそうだったけど

ルカが育った そして作り上げた世界って垢抜けてるとか華やかってわけじゃないけど 

なんか元気でみんなニコニコしててみんながルカを悪く言わないんだ。

血の廻り合せがなかったら俺らは違う世界に生きてただろう。

当然俺みたいな取り柄があんまねえ野郎と流華は仲良くしないと思う。言ってて悲しいけど。

流華が穏やかに過ごせるなら何もかも捨ててこの世界で生きていくのも応援して俺らがその後は頑張るって

選択肢もあるはずなんだけど 正直俺は流華のいない世界なんて想像がつかない。

そんなこんなを夕日の見える橋で思ったり やっぱ早く帰りてぇよって思ったりした。

俺はまだ顔を知られてないからすぐ外人扱いされるし。役人?みたいな奴に取り囲まれることもある。

城に帰ったら門番交代しててすぐ入れてもらえなかったし。うー・・

テレパスして・・やっとだったんだもの。

まだまだ夏は終わらないな。今日は冷や汗かきまくり。

その後帰る間際に復活した木だけの木蓮に流華は別れを告げ街をくるりとまわった後

穴から帰った。どれだけの力が増えたのか俺にはまだわからなかったけど

ヒルディンにはもう会いたくねえ。