「緑が気になるって?」

アイツもソファに流華の向かいに座り直してそう言った。

確かになんできになるんだろ?

「あの逢坂での銀の髪の翠の目をした男・・」

「あの人が翠じゃないの?」

「あの者から覇気を感じない。純血であるのは分かったが能力とか記憶とかそういったものがなかった。」

そうなのか?

「そうなんだよね。僕もなんか変だなって思ってたんだよ」

お前便乗しただけじゃねえの?って俺は悔しいので思ってみる。

「ドイツに行くぞ。」

へ?

「エッケハルディンが気になるんだね?」

「ああ。もしかしたら・・私の読みが当たっているなら翠とも友好な関係を築けるかもしれん。」

「至急・・飛行機取るよ。」

「いや・・事が性急ゆえ円で行く。」

「飛行機怖いだけだろ?」あ。声が出てしまった。

「ちがーう!もう火蓋は落ちているのだ。飛行機がヘリのように落とされたら犠牲者が何人出て私の業は溜る一方ではないか。」

ああそゆことね。

でも起き上がってムキになっちゃって。可愛い!

「でも今日は止めとこう?」

「なにゆえ?」

流華はアイツの目を見据えてマジな顔で言う。

「僕は・・」

「良い言ってみよ。」

「力を使いすぎていると思う。今日は純赤石を飲んで休んで欲しい。もしかしたら友好じゃなくって戦闘になるかもしれない可能性はあるよね。」

「ではそうしよう。」

以外と素直に意見を聞き入れた。

へえ〜。。。。

「流華ありがとう。」アイツはニコニコして酒でも取りに行ったんだろうか。キッチンに行った。

「ワインが良い」

「わかった〜」

ワインセラーを開ける音がする。

俺も見に行った。

「なあ・・どれが美味いんだ?」

むーっとしてアイツは「流華が好きなのはコレとかコレ」指をさして終わった。

ちぇ。

まあいいや。絵?ラベルっていうのか。文字は読めないけど覚えとこっと。

流華がしこたま飲んで眠りにつく用意をするため風呂に入ったり俺がドライヤーしたりして

アイツと純赤石を作った。アイツは前より沢山息切れもせず作っていた。

20粒くらい平気で一緒に作った。

俺の方が息切れしたくらいだ。

「ハァ・・お前どうしたんだ?」「秘密♥」

うぜ!!!

俺だって・・タマと契約・・したもん!

「それはなんじゃ?」

「僕らはねタマちゃん。これを源に生きているんだよ。」

タマには優しいんだなお前。

「ほう・・主らは食事や睡眠では生きてゆけぬのか?」

「そうなんだ。だから流華は人間ではないっていったんだよ。そして僕らは次の世代がそうゆう普通の生活を出来るように頑張ってるんだ。」

「流華殿はそんな人智を超越したものを追っているのかの?」

そうだぜ・・・難儀な女だよ。いや難儀な事が降りかかる星の下ってやつなのかもしれない。

少なくとも流華は何も望んでいない。殺すことも島もなければ綺麗で賢いお嬢さんだった。ハズ。


「流華殿は・・・そんなものを本当に変えれると思っておるのかの。」

「さあ・・変えれるかどうかは置いといて変える気で信じて進んでるみたいだよ?」

「強い女子じゃな。ワシなら嫌じゃ。」

お、おう。そりゃ大体好き好んですることじゃないとおもぜ。


「タマちゃん流華はね、きっと生まれた時からこうなることが決まってたんだよ。そして導く立場に立つしかなかった。真面目な人だからしっかりこなすし流華の判断はミスが今まではないんだ。」

「ミスがない・・?過ちを犯さないということかの?」

「いや・・過ちは犯すし、これからも見誤るというか間違えることもあると思う。だけどね、出来るだけ間違えないように慎重に生きてるよ?」

タマはブラッシングされて気持ちよさそうだ。

「俺持って行ってくるわ〜」

俺は純赤石を持って寝室に行った。

確かに少し顔色が悪い。

「流華?これ・・」

流華はベッドの背にもたれ水と純赤石を受け取ろうとした。

パリーン・・

え?

「すまぬ・・落としてしまった・・」

散らばるガラスの破片が少し怖く感じた。

ガラスが怖いんじゃなくって・・流華の手は握力を失うほど疲労しているのか・・?ってとこだ。

なんだかざわざわする。

「どうしたの?」アイツも音を聞いて駆けつけてきた。

「いや・・わた」「俺手が滑っちまって落としちゃった。」

アイツにまでこの不安を与えちゃいけない気がした。

「何やってんだよもう〜!!流華にガラスが飛んだらどうするの!!片付けるからどいて〜」

俺が怒られるだけならいつものことだ。

流華は無言で俺に少しだけ笑いかけてくれた。

これで・・よかったんだよな。

純赤石の入った皿はまだ渡してなかったから割れてないし・・

先にそっちをサイドテーブルに置いた。

ほうきとチリトリで片付けてあっちこっちに移動しているアイツにわからないように

新しい水を持ってきて俺はルカの口に純赤石を持っていってやって水の入ったグラスを手を添えて飲ませてやる。

流華の手は震えていた。

どうしたって言うんだろう・・。

一粒ずつ飲む流華は子供みたいで可愛いけど・・そういう問題じゃない。

ドイツなんか行ってる場合じゃないんじゃないのか?

頭や体を休めないとこれから先何かあってももたないんじゃないのか?

漠然とした俺の不安が流華を心配させる。

≪純ちゃんありがとう≫

≪流華・・どうしたんだ?≫

≪黒の・・ところでは・・お前たちは息さえできぬので・・≫

≪できたぜ?ってお前がさせてくれてたのか??まじか?≫

≪あれはあの空間は・・普通は入ってゆけぬ・・調べるのも分身を作るのも不得手ゆえ・・話すだけでも疲労しただけである。それにあの覇気・・黒いのに気づかれぬようにするにはその何倍もガードせねばならぬ状況で交わした友好的な交流であった。≫

≪え?じゃあ俺らを守ってるとわかっててあの女は試してたのか?≫

≪ああ・・それでも平気な顔をしてゆっくりとしていなければ逆に私を認めて話すらできなかったであろうな。気の許せぬ女でもある。≫

≪頑張りすぎだって。≫

≪そうするしかなかった。あの場で誰もそれをできなかった故。≫

そうだな・・・あの場所がどんなとこなのか、全く分からなかったのは流華も一緒で・・

でも俺らを守りながら交渉してたってゆうのかよ・・

もっと力があれば・・でも交渉だ・・武力では勝てそうにもないし勝ち負けを争う場所でもなかった。

せめて流華を補助できたら・・

≪なんでテレパスしなかったんだよ・・・≫

≪それだけ疲労する。≫

そりゃそうだが・・

≪異質の力とは葵が苦しむように所属は同じであっても我々には毒な場合もあるのだ。ゆえに純血は多くを学ぶ。生きるために守るために。いつか私がこうやって疲れたとき助けてくれたらそれで良い≫

「良くねえよ!!!」

「どうしたの?」

あ。しまった。

興奮して・・テレパスじゃなくってゆってしまった。

「いや・・・明日ドイツに行くっていうからさ。」「行くんでしょ?エッケハルディン。」

「今日明日くらい休んだらいいじゃんか。お前だって使いすぎだって思ったろ。」

「まあ思ったけど・・今日休めばいいんじゃないかと・・」

「なんかあってからじゃ遅いぜ。十分に休養することも時には必要なんじゃねえの?」

「・・・まあそだね。ここのところ毎日のように色々あったし・・」

アイツも納得はした。俺ってば結構やるじゃん。セーフか?

「それでなんでお前が流華に怒鳴るわけ?」

疑問だなあって顔で見られる・・そ・・そりゃそうか・・。セーフじゃねえな・・。

でもアウトでもねえ。ここを乗り切れば・・。

「俺らも今日流華たちが言った言葉を理解して次に進むべきなんだよ。流華の問題だけじゃねえってことを言ったんだ!」

これでどうだ。

「まあ・・・怒鳴らなくてもいいとは思うけど・・そうだね。僕らは力も追いついてないし、まず予備知識を持ってから行きたいところだよね・・。」

ヤッターー乗り切った。

≪純ちゃんごめん無理をさせた。≫

≪いいんだよ。ほんとのことだから。それに無理すんなって。≫

ちょっと俺今カッケーんじゃねえかなとか思ったりする。

「流華・・悪いんだけど・・」

「ああ。良いよ。お前たちは今の現状と聞いた事を理解したい気持ちもあるであろ。少しドイツにゆくのを伸ばす。今すぐ知っておきたいが一旦あの首飾りを島に取りにゆかねばならんしな。」

あ。そっか友人の証だ。

「そうだね。あれを持っていかないと何かと不都合だよね。」

うんうん。

その夜食事はタマだけがして俺らは寝た。

その次の朝から

「だあ〜かあ〜らあ〜まずそこが間違っているんだって・・」

「なんでだよ!!でもさ逢坂では・・」「逢坂は逢坂〜」

「わっけわかんね!!」

俺らの理解議論が続く中・・その日は流華は本を読んだりクソゲを(何回目だろ)やったり酒を飲んだりして過ごしていた。

その日は流華とアイツが俺の分を・・次の日は流華とアイツが俺の分を純赤石を作ってくれた。

オレらはやっぱ不便だ。

「主らは本当にそうやって生きてゆくしかないのだの〜」

タマは静かに言った〜ごろごろしながら。

「お前がネコに閉じ込められて寿命を決められたみたいに不自然ってやつの干渉を受けたらなんかしらとばっちりがくるみたいだぜ。」

「ワシのこの身体もそういうことなのじゃなあ・・ワシ魚など食いとうないのに・・」

精霊が魚だもんな・・(´ε`;)ウーン…可哀想かも。

俺も猫に閉じ込められて寿命超短くなって足おられて魚食いたくなるのってやだ。

「タマの場合はさ〜俺が力になれたら戻れるかもしれないぜ。死ぬまでに戻れたらかなり長生きできるんだろ?」

「精霊はほぼ永遠じゃからの。寿命という概念はないのじゃ。」

「永遠?」