流華は体が慣れてきたのか切り傷や擦り傷が出来なくなっていってた。

俺らもその先を見る為に鍛錬や二人での会議もいっぱいした。

アイツが考える連携も特訓した。

いつだってなんだって一緒にやったり心の底から笑えるのって・

・もう誰がかけても嫌だと思った。

そういう思いを知って尚あの時羽を殺した流華の涙を俺は忘れない。

爺様が島を吹っ飛ばす気かって言ったのはそんなにぶっ飛んだことじゃなく

流華の精神の行き着く先を多分知ってたんだと思う。

その時は流華は爺様に端的に死ぬことを恥じて

一生を生き抜く事を教えられたし誰かをもっと認めたり

一人でその先に行くことを迷ってくれたんだと信じてるんだ。

アイツがあの時信じるしかないって止めなければ俺はもっと幼かったと思う。

アイツが思う流華と信じる覚悟とか目標って俺とも流華とも違うと思うけど・・

行き着く先は一緒なのだと俺は多分一生思ってる。

だから今じゃああのおっさんの時にこんなに苦しいなら

いっそさっさと自分で死のう!

なんて思わないしチャンスがあれば巻き返してなんとかならないか

屈辱でもなんでもいいから耐えて繋げたいと考えていくようになった。

信じるものがあって、迷いがなくなっていくと自分の力はもっと高みに近づいていく。

そんな気がする今日俺誕生日。

流華が温室の薔薇を思いっきり切り取って何故か風呂に思いっきりぶち込んでくれた。

ううう・・・花に埋もれて風呂に入りたい日じゃないんだけどな・・・。

ちょっとも何も聞いてるじゃんか。理解出来ないことでも。・・とマリのポジティブさをちょっとせしめて貰ったりした。

初めて好きになった女に薔薇色の風呂に入れられた記念すべき日でもある。

勿論一緒に入ったが・・薔薇で流華がみ・・見えない・・。

かき分けたと思って抱っこしたらアイツだったし(´;ω;`)萎え

お互い踏んだり蹴ったりだ。残念でしょうがない。

俺たちクリスチャンでもないのでXmasはなーんにもしなかったが

正月は一年の始まりという儀式があって飲み会だった。

ちょっと祝われてるなんて思ったら大間違いだからな・・・。

アイツはちょっと上手なので腹が立つお願いをしていたが・・・

「今日は正月だね。流華着物すごく似合ってて綺麗だね。一年に一回しか振り袖を見れないのは残念だよ。」

「ああ。有難う。そうだな。なんだかかんだで一年の始まりは清々しい。」

終りの5・6日前の方は??

俺らは島の人間と初詣みたいなものをしたあと儀式で飲んで夜中に3人で

初詣と称して抜け出した。

「今日は瞬ちゃん誕生日だな。」

「覚えててくれたの?」

階段をゆっくり登る流華は言う。

「まあなお前たちにとって大事な日だというので。覚えている。」

そういう感じ?

「有難う」

「でも温室の薔薇はもう無いのだ。考えなしに切ってしまった故・・」

ショボンとするが・・違うんだ。流華・・そういう日じゃ・・

「あああれは・・コイツが祝われたい誕生日でしょ」

フンヌーこいつまた濡れ衣を?!!

「ああ。そうであった。」

あわわわ 勘違いだよ・・流華・・

「ち・・」

言いかけた俺をアイツは「へえ?違うっていうの?」

「嬉しくなかったのか?」

流華は階段を止まって俺に尋ねた俺の近くに来て大きな目をきょとんとさせて

「いや・・その・・・」

なんて言えばいいんだ??

「嬉しくなかったなら・・余計なことをしてしまったのか・・?」

そんなに近づいてまつげをファサファサさせるな?

「いや。嬉しかったぜ。」

そういうしかなくなってしまう・・・・

嬉しくないわけじゃないけど・・

ずっと勘違いされると困るんだが・・。

俺の誕生日が薔薇風呂DAYになってしまうだけだろが!!

「そうか。よかった♪」

ニコっとわらってまた歩きだした。

こ・・小悪魔め・・きゅんした。俺。。。

と思ったらなんで階段の上でアイツとチューーーーーーってしてるんだ?

俺はすげー勢いでモモ肉が筋肉痛になるんじゃねえか?っていうくらいの小走りで

階段を競歩のなんか資格持ってんのか?って位だよ。

止めに行った・・。

止めに行くだろ?!!小悪魔でもマイエンジェルだ!!そんなの見ていい気分じゃねえ。


「なーーーにしてるんだーーー!!ぜえぜえぜえ・・」

「純ちゃん・・階段のぼるの早いな新技術なのか?」

チ。と聞こえたぞ俺は。アイツのチが。

「怪談って感じだけどね。ぷぷ あんなにグフッ 勢いあったら怖くな?い?」堪えきれないのか話してる途中でアイツは笑ってる。

そして妙にしたりドヤ顔で。

「だぁかあらぁ何してたんだよぉ?」

「瞬ちゃんの誕生日の祝い方は心に隙間を作らない為のあの技をキスといったか?
鍛錬も含めて長めにしてくれればそれだけで良いというので・・してやっていたのだがどうした?」

「お・・俺も!!俺もして!」

「ああ。ダメだ。」

「なんで?」

俺は泣きそうになる。

「もう純ちゃんには必要ないではないか。心に隙間を作ってしまってやられることはまず今のところ無いゆえしなくても良いしそれ以上は自分で鍛錬しなければダメだ。」

うーーーーん。アイツは邪いっぱいなおねだりをしたのに?くうう

なんというか・・俺はイジイジしてしまう。

「流華!破魔矢であそぼー!!」

「うん。」

流華との絡み方を熟知してる奴に色々取り上げられていくが・・

俺はメゲナイぞ!

なーにが心の隙間をつくらないための鍛錬も兼ねてのお祝いだ。

そんなケチくさい理由がなくったって

いつか

俺はもっと相思相愛のちゃんとしたやつをしてやる!

そんなお前はハンケチでも用意しとくんだな・・変態め。

「俺も玉屋で遊ぶ?」「東京に行くのか?」「そうらしいね?」

「なんでそうなるんだ?ぁもう?」

「玉屋は江戸のだな・・」

「だから違うって?」

「違わないぞ。己人の記憶を愚弄するか剣。」

「わあわわわ・・違。。盾・・」

がキーン・・

 俺の言いたいことは・・そんなことでは・・ないんだよって

その次の朝やっと寝言で

「破魔矢と玉屋を言い間違えただけなのに!」

と叫んでしまったらしく。

「なんだ間違えただけなのか。・・そういえばよかったのに。」

「ね?朝から五月蝿い男だよ。まだ7時じゃん。起きちゃったねえ・・」

「うんまあ・・起きちゃったな。」

流華も俺の迷惑な寝言でばっちり目が覚めてしまったらしく。

「ああ・・ごめんな・・流華起こして。」

「いや、まあいい。気にしなくても良い。少し朝が早くなっただけだ。ちょっとバサシと速駆けして風呂に入ってから食堂にゆく。」

「じゃあ僕も・・」

「じゃあ俺も・・・」

「純ちゃん新しい馬いるのか??」

「ププ・・居ないよね?死んだもん。」

アイツがザマーミロとばかりに笑いをこらえてる。

いそいそとお散歩デートに出ていかれてしまった。

俺も新しい馬ほしいなあ。。。

早駆けか。

あれはあれで疲れるけど・・スッキリはするよなあ。特にバサシははええしなあ・・

あの超人的?超馬的?なスピードはもはや馬じゃねえ!

と思って昔追いかけてたけど・・

マジでただの馬じゃねえって話だったから・・

しゃーないなあ・・この俺が!追いつけなかったのは。

ああ。二人乗りさせてもらえば・・よかったんじゃないか?

しまった俺・・いや。無理だ。

バサシが流華以外乗せるわけがねえな。

アイツと二人乗りなんて嫌だし

俺は道場にでも行って鍛錬しますか。

たまに思うぜ。

ぶっ飛んだ奴には賢い翻訳家とそれをよく分からないけど実行する俺みたいな馬鹿力みたいな人間が必要なんじゃないかって。

俺は俺 流華は流華 

アイツはアイツでしかないんだから自分なりに伸びていくしかねえ。

良くなるまで帰ろうと行ったけど・・

ずっとこのまま引きこもってても流華が追いたいモノは手に入らない。

俺らもそろそろ東京に帰る方がいいのかなあって思った朝稽古。

朝食の時にはもう口に出てた。

「今日はベーコンが美味しいね??」

「そうだな。自家製はやはりいいな。」

「お前最近朝から晩まで酒飲んでないか?」

「ああ。血を極端に使わないでいる方法はやはり契約したものと融合しながら自我を保つことゆえ。」

「意味わかんねえな。」

「僕も!」

お。今日はアイツもわからんのか。へへ。

「それはここでする話では無いゆえ・・」

給仕係りもそば耳もあるんだった。そっか。トップシークレットだもんなあ・・

「そっか。あのさ。この話はしてもいいと思うんだけど。。」

「なんだ?」

「そろそろ東京に戻らないか?」

「ああ。・・なるほどな。瞬ちゃんはどう思う?」

「僕も・・戻ったほうがいいかと思ってたよ。朝食の後にでも言おうかなと。」

アイツはヒクヒクしながら答えている。

ぷぷぷ。

俺はドヤ顔をしてやったがすぐにつんとされた。

アイツもめげない子なのか・・。

「では帰ろう。明日にでも。」

早っ。

来るときは俺しか判断基準が居なかったから俺の意見を聞いてくれたけど

アイツもいたら二人の意見を聞いて決めるんだな。

「流華はそれでいいの?」アイツはきょとんとして尋ねている。

「ああ。それがいいのだ。」

流華は俺の方を少しだけみてニコっと笑った。

な?みたいな。

俺もなんだかニコってなったけど釣られて。

「お前朝からキモイんだよ・・ネー燕さん。」と言われた・・・

「ええ・・失礼ながら言わせて貰うと朝から見るものではない笑顔ですね。」

なんだよ・・極上の作り笑いでこれくらいしやがれってばかりに・・

無駄に凹ませやがって・・・。

「なんの話だ?」

「いえ・・島主の耳に入れるとお耳が腐ってしまわれそうなので・・恐縮ではありますが・・」

おおおおい!!お前ぇぇ!なんで俺をそんなに邪険に・・・


ああ・・俺が帰ろうって言ったからか?

ポツンと残される流華専用の側女専用メイドみたいなものが存在し続けるのは

主が居てこそ花がある。

帰ってきたら思ってた分使えることができるけど・・

東京に行けば使えることも話すこともできねえ。

そっかそれでアイツはいろんな人の気持ちを汲んで朝食が終わったら部屋でその話をして

流華が言い出せばこんな摩擦はないわけで。

しょうがないかーって雰囲気になるし。

だからあれはさき言われたヒクヒクじゃなかったんだな。

余計なことを?ヒクヒクなんだ。うん。