野球男子が恋をした。



「ってかさ、今日の練習のとき…歌、聴こえなかったか?」


俺がそう聞くと、雅紀は首をかしげてから言った。


「歌か?…聞こえなかったな…んー。あっ、でもよ!歌っつったら合唱部じゃねーか?」


合唱部か。うちの高校にあったんだ。知らなかったわ。


「合唱部、か」


何故か1人呟いてみる。


「そーいえばよー、合唱部にめっちゃ美人いるらしいぞっ」


急に跳びはねながら騒ぎたてる雅紀。


美人とか、どうでもいいし。


「………美人だろうが何だろうが、性格。わりぃだろうが」


俺は横目で雅紀を見据えて言った。


それでも、緩まない雅紀。負けじと言ってきた。


「なになにー?俊祐ちゃん病んじゃってる??」



何言ってんだコイツは。


お前が病んでるだろ。メンクイ野朗が。