「うんめー♪やっぱ格別だなー!」
ほんと、なんでユウと並んで歩いてるんだろう…。
ユウはさっきから食べ物ばっかり食べている。
「楽しいな!ナノハ!」
「そうだな。」
確かに…。人と一緒にいて楽しいと思えるのも久しぶりだ。

そうしてると、ある女の子がもじもじしながら、こっちを見ていた。
茶色い髪の毛で、癖毛なのか、髪の毛の下がふわっとなっている。

「あ、あの!」
ユウと私は振り向いた。
「私、ユキナっていいます。ナノハちゃんと友達になりたいんです!!」
…………へ?
「なんで私?っていうか、私のことつけてきたの?」
「は、はい~。ナノハちゃん、なかなか気付いてくれないし…。何回も話しかけようとしましたよ?!」
目をうるうるさせて言ってきた。
「ナノハー、よかったじゃん。」
ユウも嬉しそうに言う。
「…………。」
くだらない。友達なんて…。
「私、帰る。」
「おい、ナノハ!」
「ナノハちゃーーん!!」

どうせ、すぐ裏切るんだ。


~回想~

「ナノハ!私達、友達だよ?だからね、お互い助け合っていこうね!」
「うん!」
そう言ったのに…。

戦いで私が人質にされ、最大のピンチとなった。
「さあ、お友達の命か自分の命か。どちらか選びな。どっちをとるんだろうね~。どちらかを選べば、助けてやる。」
「お願い!助けて!」
そう。私も友達もどっちも助かる方法をとってくれると思った。なのに…。



「私を…ここから出して!ナノハなんかどうでもいい!!」
その目は本物だった。

その後私は力ずくで敵を倒し、脱出できたが、こんなにも胸が苦しいことはなかった。


だから、きっとあの子も…。