ナノハは器用にシップを貼り、包帯を巻いていく。

「お風呂上がりにまた交換すればいいから。」 
「へぇ~。」
ユウは手当てした所をまじまじと見て、
「おまえ、うまいな!これだったら速く治りそうだぜ♪」
「………〃」
早くこういう言葉に慣れないと…。
「そう…。よかった…。」
今、ちゃんと言えてた?変な感じじゃなかったよね?
「あ、そうだ!ナノハ!」
「………?」
何だろう…。
「息抜きに町に行かないか?」
「え…でも…。」
ユウはにっこり笑って、
「大丈夫だって!俺がついてる!」
「………!!!」
なんで…わ、わたし今ちょっと安心してしまった!
ユウの言葉が響くなんて…。

「マスターに言っといたほうがいいんじゃないの?」
「あー。大丈夫!オヤジ、20~22時くらいは遊んでるから。その間に行って、帰ってこようぜ。」
「う、うん。」

こうして私は初めて、特別施設からユウと抜け出した。
人を信じたのは久しぶりだった。