「うっし!剣を出すか!」
そう言うと、手をパチンと合わせ、右手を手前に。左手を奥に手をねじらせた。そしてその手を離していくと、赤い炎と共に剣がみるみる出てきたのである。

「まだ、戦う道具があったのか?!」
「ああ。そうだ!俺は体術だけじゃなくて、剣も扱えるからな!」
さっきと全然違い、ユウがセイリアをおしている。勝てるかもしれない。ナノハはそう思った。

「姉さん。俺の出番なしです。」
アルキオスは、残念そうに言った。
「そんなことないよ。アルキオス。ユウを守ったんだから。」
「そうですか?いや~。姉さんにほめられると照れます〃」
ナノハは少し微笑んだ。
すると、セイリアの技をはじき返したものがナノハの方に飛んできた。
「ナノハっ!!」
ユウが私の名前を強く呼んだ。
するとアルキオスがハンマーでその魔法を消した。
「姉さん!大丈夫でしたか?」
「アルキオス…。ありがとう。」
ユウはほっとした。

「これで決める!」
ユウはそう宣言した。
「火炎秘奥(ひえんひおう)!!!!!!」
そのかけ声と共にものすごい炎の渦がセイリアを包み込んだ。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
炎が消えると、セイリアはその場に倒れた。体力も精神も尽きたのである。
「っしゃあーー!!!!!!」
ユウは嬉しそうだった。
それを見てナノハはほっとした。
「(え…なんで…。いままでなら、勝とうが負けようが何も思わなかったのに…。)」
そう思っていると、ユウがナノハの方に走ってきた。
「ナノハっ!ありがとな!」
そう言うとナノハの頭を軽くポンポンと叩いた。
「………!!!!!!!!!」
突然の出来事にナノハはビックリし、さらに体がものすごく熱くなるのを感じた。
「ナノハ…大丈夫か?」
ナノハの顔は真っ赤だった。
「……。だ、大丈夫に決まってるだろ!あまり見るな!」
そう言うとさっさと歩き始めた。
「え?!ナノハー!俺を置いていくなよー!」
ナノハはその言葉も聞こえないフリをし、どんどん歩いていった。