激しい戦闘が続いている。
私も戦いたかったが、ユウに「ナノハは戦わなくていいぞ!」と言われた。
やっぱりジャマだと思われたのかな……。
いや、ユウに限ってそれは………って、何考えてるの?私…。ユウに限ってとかないない。ユウだって…一緒。みんなと一緒よ…きっと…。

そう思っていると
「やっぱ…つえーなー…。」
「ふん。おまえなんかに負けてたら、私のプライドが許しませんからね。」
ユウもセイリアもだいぶ疲れているようだ。
ユウが立ち上がろうとすると、
「ぅ……。」
足を痛めていたのだ。
「これで、勝ち目は僕ですね。」
セイリアは勝ち誇った顔で言った。
「まだ終わってねー。」
ユウはさらに続けた。
「諦めてたまるかよ…。仁科さんがあんな状態なのに…俺は最後の最後まで戦い続ける。自分の使命を果たすために…!」
「それもその足じゃ意味ないですね~。消えなさい!!」
セイリアはさらに清力を高めて大技を放ってきた。

足…!動け…!
「手を出すぞ。」

ナノハ…?!
「行け!パワーの精よ!汝に向かってくるものを排除せよ!!」
そう言うと札を目の前に投げた。すると、札から魔法仁が出てきて、さらにそこから足で立っている白と黒色の牛が出てきた。ハンマーを持っており、強そうな体をしている。
「う、牛ー?!ナノハ!おめー、牛出せるのかー?!」
「……。牛じゃない。パワーの精、アルキオスだ。」
アルキオスはハンマーを振り上げ、セイリアの大技を消し去った。
「なに…?!」
「うちのアルキオスをなめないでよね。」
ナノハはユウの方を向くと、両手を合わせ、指と指どうしを組ませ、胸のところまでもってき、
「汝の前に立つものの傷を癒したまえ。」
すると、緑の光がでてき、ユウの傷の部分を癒やした。
「ナノハ…おめー…」
「助けたんじゃない。見ててうずうずしただけだから。」
相変わらず冷てーなー…
「でもありがとな。おかげで戦えそうだぜ!」
ユウはナノハに笑顔を見せた。
「………!!」
ナノハは体が熱くなるのを感じた。
「さ、さっさと戦え!」
「おう!ありがとな!」
なんで?!なんでこんなやつに…。もう分かんないーー!!

「セイリア!決着つけるぞ!」
そう言うとユウは歯を見せて“にっ”と笑った。まるで勝敗が見えてるかのようだった。